矯正治療で歯を削る理由とは?注意点や削る方法も


矯正治療で歯を削るイメージ

こんにちは。愛知県豊橋市にある三宅歯科医院です。

矯正治療中には、歯を削る処置が必要になることがあります。歯を削ると聞くと「痛くないの?」「歯が弱くならないの?」といった不安を抱く方も少なくありません。

歯を削るこの処置は、専門的にはディスキングやIPR(アイピーアール)と呼ばれ、矯正治療においてはごく一般的な方法のひとつです。

今回は、矯正治療でなぜ歯を削るのか、どのような方法で行うのか解説します。矯正治療で歯を削るメリットや注意点についても解説しますので、矯正治療を検討されている方や、歯を削ることに不安をおもちの方は、ぜひ参考にしてください。

矯正治療で歯を削る理由

矯正治療で歯を削る理由を考えるイメージ

矯正治療において歯を削ることは、単にスペースを確保するためだけでなく、美しさや機能性の両方を実現するために必要な処置です。ここでは、歯を削る4つの主な理由について詳しく解説します。

歯を並べるスペースを確保するため

歯列がガタガタしている原因の一つに、歯が並ぶスペースが足りないことが挙げられます。特に顎が小さい方や、歯が大きい方に多く見られる問題です。このような場合、矯正装置だけで無理に歯を並べようとすると、歯や歯茎に負担がかかる可能性があります。

そこで行われるのが、歯の側面をわずかに削る処置です。歯の側面をわずかに削ってスペースを作ることで、抜歯をせずに歯を整列させることができるようになります。この処置により、歯列全体の調和が取れた美しい仕上がりが期待できます。

歯のバランスを整えるため

歯は本来、左右対称であることが理想とされていますが、実際には歯の形や大きさが左右で異なる場合もあります。特に前歯の大きさに差があると、笑ったときの見た目や歯並び全体のバランスに違和感が生じやすくなります。

このような場合、対象の歯をわずかに削ることでバランスを整えることができます。これは見た目の美しさだけでなく、歯と歯の接触関係を整えるうえでも重要な処置です。

わずかに調整するだけでも、全体の印象を大きく改善する効果があるため、審美性を重視する矯正治療においては非常に有効です。

噛み合わせを整えるため

矯正治療では、見た目の改善だけでなく正しい噛み合わせを作ることも大切な目的のひとつです。歯のサイズが上下でアンバランスだったり、歯の形状が整っていなかったりすると、歯がしっかりと噛み合わず、食事や発音に支障をきたすことがあります。

こうした問題を解消するために、歯の表面や側面を微調整し、上下の歯の接触を自然な状態に整える処置が行われます。

噛み合わせを正しくすることで、顎関節への負担が軽減され、将来的なトラブル予防にもつながります。また、日常生活での快適さも向上し、全体的な口腔機能のバランスが整います。

歯列を安定させるため

矯正治療で理想的な歯並びを手に入れても、歯のサイズや接触のバランスが整っていなければ、治療後に歯が元の位置に戻ろうと動く後戻りが起こるリスクがあります。

そこで重要なのが、歯を適切に削ってスペースを整え、歯と歯の間に無理のない接触関係を作ることです。このような処置を施すことで、治療後の歯列が安定しやすくなり、長期的に美しい歯並びを保つことができます。

矯正の仕上がりとその持続性を高めるうえで、歯を削ることは大きな役割を果たしているのです。

矯正治療で歯を削る方法

歯を削る器具を手に取る歯科医師

矯正治療で歯を削ると聞くと、大きく削られるのではと不安になる方もいるかもしれません。

しかし実際には、歯の表面のエナメル質と呼ばれる部分を、ほんのわずかだけ削る処置です。この方法はIPR(アイピーアール)やディスキングとも呼ばれ、矯正治療ではよく行われています。

使用される器具には、非常に細かいやすり状の器具や、小型の回転器具などがあります。これらを使って、歯と歯の間を丁寧に削っていきます。削る量は極めて少なく、歯の強度に影響を与えることはほとんどありません。

処置の際は、基本的に麻酔を使うことはなく、痛みもほとんど感じません。また、削った部分はそのままにせず、表面を滑らかに整えることで、汚れがたまりにくく虫歯になりにくいように仕上げます。

このように、矯正治療における歯を削る処置は、安全性と審美性の両立を考慮した、非常に繊細で計画的な処置なのです。

矯正治療で歯を削るメリット

矯正治療で歯を削るメリットのイメージ

歯を削ることに抵抗を感じる方もいるかもしれませんが、矯正治療のなかで歯を少しだけ削る処置には多くのメリットがあります。ここでは、主な4つの利点についてご紹介します。

抜歯を回避できる可能性が高まる

矯正治療で歯を並べるスペースが足りないとき、かつては歯を抜くことが一般的でした。

しかし、歯と歯の間を少しだけ削る処置を行うことで、抜歯をしなくても治療が可能になるケースもあります。特に軽度〜中等度の歯並びの乱れであれば、この方法で十分なスペースを作ることができるため、健康な歯を残したまま矯正を進められるのが大きなメリットです。

抜歯に対する不安がある方にとって、安心して治療を受けられる選択肢となります。

身体への負担が少ない

歯を削る処置は、抜歯に比べて身体への負担が非常に少ない点も特徴です。

麻酔を使わずに済むことが多く、処置にかかる時間も短いため、痛みや腫れなどの心配がほとんどありません。また、削る歯の量はごくわずかで、歯の健康に影響しにくいため、精神的にも安心して受けやすい方法です。

治療をスムーズに進められる

歯を削って必要なスペースを作ることで、歯の動きがスムーズになり、計画通りに治療が進みやすくなります。

歯と歯が大きく重なり合っている状態では、歯を移動させるのに時間がかかることがありますが、あらかじめスペースを作っておくことで効率よく歯を動かせるのです。また、歯にかかる力も過度にならず、歯や歯ぐきへの負担を減らす効果もあります。

後戻りが起こりにくくなる

後戻りとは、せっかく整えた歯並びが元の状態に少しずつ戻ろうと動くことです。これを防ぐためには、歯が自然に安定する環境を作ることが大切です。

歯を適切に削って無理のない位置に並べることで、歯の接触が安定し、後戻りのリスクを減らすことができます。また、削ることでできたスペースに歯がしっかり収まると、保定装置(リテーナー)の効果も高まり、きれいな歯並びを長く維持しやすくなります。

将来的な再治療のリスクを減らすという点でも、大きなメリットといえるでしょう。

矯正治療で歯を削るときの注意点

矯正治療で歯を削るときの注意点のイメージ

矯正治療で歯を削ることには多くのメリットがありますが、一方で注意すべき点もいくつかあります。治療を始める前に知っておくことで、不安やトラブルを防ぐことができます。

すき間が目立つことがある

歯を削った直後は、歯と歯の間に小さなすき間ができることがあります。

このすき間は、矯正治療が進んで歯が動いていくなかで自然と埋まっていきますが、治療の途中では目立って見えることがあるかもしれません。とくに前歯にすき間ができると、話すときや笑ったときに気になることがあるでしょう。

これは一時的な状態であることが多いため、心配しすぎる必要はありませんが、事前に理解しておきましょう。

食べかすが挟まりやすくなる

歯を削ってすき間ができると、食べ物が歯と歯の間に挟まりやすくなります。とくにパンやお肉などのやわらかい食べ物は詰まりやすく、気づかないうちに汚れがたまることもあります。

そのままにしておくと虫歯や歯周病の原因になるため、デンタルフロスや歯間ブラシなどを使った丁寧なケアが必要になります。歯科医院で正しいケアの方法を教えてもらい、清潔な状態に保つことが大切です。

知覚過敏の症状が現れることがある

歯を削るのは、歯の表面にあるエナメル質という硬い部分ですが、ごくまれに削ったあとに歯がしみるような症状が出ることがあります。これを知覚過敏と呼びます。冷たい飲み物を飲んだときや風があたったときにピリッと感じることがあり、不快に感じる人もいるでしょう。

ただし、多くの場合は一時的なもので、時間とともに自然におさまっていきます。

削った歯は元に戻せない

歯を削る処置は、健康な歯の一部を物理的に取り除くものです。そのため、一度削った部分は元の状態に戻すことができません。これは、矯正治療において必要な処置とはいえ、慎重な判断が求められる理由のひとつです。

まとめ

矯正のための治療を受ける女性

矯正治療で歯を削るというと、不安に感じる方も多いかもしれません。

しかし、実際には歯をほんのわずかに削ることで、抜歯を避けられたり、歯並びや噛み合わせを整えられたりと、さまざまなメリットがあります。

もちろん、すき間ができる・知覚過敏の症状が現れることがあるなどの注意点もありますが、正しい知識を持っていれば過度に心配する必要はありません。大切なのは、自分に合った治療方法をしっかりと理解し、信頼できる歯科医師と相談しながら進めていくことです。

矯正治療を検討されている方は、愛知県豊橋市にある三宅歯科医院にお気軽にご相談ください。

当院では、予防歯科とマウスピース矯正に力を入れています。虫歯・歯周病治療やホワイトニング、入れ歯治療、インプラント治療なども行っています。

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