こんにちは。愛知県豊橋市にある三宅歯科医院です。
銀歯を入れたからもう虫歯の心配はないと思っていませんか。銀歯を入れる際、根管治療で神経を取り除いていれば痛みを感じることはないでしょう。
しかし、痛みを感じなくても虫歯が進行している場合があります。銀歯に覆われた虫歯は目で見て確認できないため、進行してから腫れや痛みによってようやく気づくことが多いのです。
銀歯の下の虫歯が悪化すれば治療が困難になったり、抜歯が必要になったりします。そうならないように、虫歯を予防することが大切です。
今回は、銀歯の下の虫歯とはどのようなものなのか解説します。虫歯になる原因や予防法についても紹介するので、ぜひ参考にしてください。
目次
銀歯とは

銀歯は詰め物(インレー)や被せ物(クラウン)として使用されています。保険適用の虫歯治療に用いられ、銀歯によって咀嚼機能の回復を図れます。
銀歯は金属でできているため、耐久性とコストパフォーマンスに優れています。噛む力に耐える十分な強度があり長期間使用でき、保険適用のため治療費を抑えられます。
一方、見た目が銀色で目立つのはデメリットです。また、金属アレルギーのリスクや歯茎の黒ずみなどの問題もあります。
銀歯は、時間の経過とともに劣化し、歯との間に微小な隙間が生じることがあります。この隙間に歯垢が溜まり、虫歯菌が繁殖することで再び虫歯になることがあり、これを二次カリエスといいます。
銀歯の下が虫歯になる原因

銀歯の下が虫歯になる原因を見てみましょう。
表面に汚れが付着する
パラジウム、金、銀などの合金でできた銀歯は軟らかく、日常の使用によって表面に細かな傷が生じます。こうした傷は肉眼では確認できないほど小さなものですが、傷ついた銀歯の表面には汚れが付着しやすくなり、虫歯の発生につながります。
隙間に歯垢が付着する
銀歯と天然の歯の境界部分には微細な隙間があります。隙間に入り込んだ歯垢は歯ブラシの毛先が十分に届かないので清掃が困難です。歯垢が残存し続けることで、その場所に虫歯菌が増殖して虫歯を発生させます。
銀歯と天然歯の密着が不十分
口の中は常に唾液で湿潤な環境にあり、食事の際には温度や酸性度の変化にさらされます。このような環境下で、時間の経過とともに銀歯と天然歯の密着が弱まります。密着不良が生じると、隙間ができて虫歯になりやすいです。
セメントの流出
銀歯を歯に固定するために使用される歯科用セメントは、時間の経過とともに徐々に溶解して流出します。セメントが流出すると、銀歯と天然歯の間に空間が生まれ、細菌が侵入しやすくなります。
セメントの流出でわずかな隙間ができると、そこから唾液や細菌が侵入し、セメントをさらに溶かします。
虫歯の進行を自覚しにくい
通常、虫歯が進行すると冷たいものがしみたり、ズキズキとした痛みを感じたりするものですが、神経のない歯ではこうした症状が現れません。銀歯の被せ物を装着する際は、歯の神経を除去する根管治療を行うことが多いです。
神経を取り除いた歯は痛みを感じる機能を失い、異常が生じていても気づけません。そのため、歯の根の先に膿が溜まったり、歯茎や顔が腫れたりといった症状でようやく気づきます。
こうした症状は虫歯が重症化しないと現れないため、発見が遅れやすくなります。
レントゲンでの発見が遅れる
通常の虫歯診断では、レントゲン撮影が重要な役割を果たします。歯と歯の間の虫歯や、歯の内部の虫歯は目視では確認できないため、レントゲン画像に頼ることが多いです。
しかし、銀歯はX線を透過しないのでレントゲン写真で銀歯の部分が真っ白に写り、その下の歯の状態を正確に確認することが困難です。
銀歯の下の虫歯に気づくには、視野を20倍近く拡大できるマイクロスコープによって、肉眼では見逃すような微細なズレや隙間を発見する必要があります。また、実際に虫歯ができているかどうかを確認するには、詰め物や被せ物を外す必要があります。
銀歯が虫歯になるのを防ぐためには

銀歯の下で虫歯が進行しないように、次の点に注意をはらいましょう。
銀歯の周辺をしっかり清掃する
歯ブラシだけでは、銀歯の周辺や歯と歯の隙間に残る歯垢や食べかすを完全に取り除くことはできません。銀歯の周囲は段差やわずかな隙間ができやすく、そこに汚れが溜まりやすいです。
デンタルフロスや歯間ブラシを併用しましょう。例えば、毎晩寝る前にフロスを使って銀歯の周囲を丁寧に掃除することで、虫歯菌の原因になる歯垢を除去できます。歯間ブラシは、歯と歯の間が広い部分やブリッジ部分にも効果的です。
虫歯になりやすい食生活を見直す
虫歯菌は糖分をエサにして酸を作り、歯を溶かして虫歯を引き起こします。甘いお菓子やジュースを頻繁に摂取していると虫歯になりやすいです。
例えば、キャンディやチョコレートを頻繁に口にしていると、口の中が長時間酸性に傾き、虫歯菌が活発に活動しやすい状態になります。間食を控え、食事の時間を決め、甘いものをだらだら摂り続けないようにすることが大切です。
また、キシリトールガムなど虫歯予防効果のある食品を活用するのも良いでしょう。
虫歯になりにくい素材を選ぶ
保険適用の銀歯に比べ、セラミックやジルコニアなどの素材は歯との密着性が高く、虫歯になりにくいとされています。表面がすべすべしているので汚れが付きにくく、清掃も容易です。
また、天然歯に近い色合いで審美的にも優れているので、銀歯からセラミックへの変更を検討してみるのもよいでしょう。
定期的に歯科医院でクリーニングを受ける
歯科医院では、専用の器具を使った専門的なクリーニングを受けられます。これによって、セルフケアでは落としきれない歯垢や歯石を除去し、虫歯のリスクを下げることができます。
銀歯の下で進行する虫歯は外からは見えにくく、腫れや痛みが出るまで気づかないこともあります。3〜6か月に一度は歯科医院で定期検診を受け、銀歯やその周囲の状態をチェックしてもらうことが大切です。
早期発見・早期治療によって、歯を大きく削るリスクや治療費を抑えることができます。
銀歯の下が虫歯になったときの治療法

銀歯の下が虫歯になったときは、次のような治療を行います。
銀歯を取り外して虫歯を除去する
最初に銀歯を慎重に取り外して確認し、レントゲンなどの検査を行います。虫歯が確認できたら感染部分を削り取ります。虫歯が小さい場合は最小限の切削で済みますが、進行している場合は歯の大部分を削ることもあります。
必要に応じて根管治療を行う
虫歯が神経まで到達している場合は根管治療が必要になります。最初に銀歯を入れた時点で既に根管治療を終えていることもありますが、そうでなければ根管治療を行います。
根管治療では、歯の内部にある神経や血管を取り除き、歯の根っこの部分をきれいに消毒したうえで、薬剤や樹脂で密封します。根管治療は数回に分けて行われることが多く、治療後は歯の強度が落ちるため、土台を作ってから被せ物を装着します。
新しい詰め物や被せ物で補う
虫歯部分の除去や根管治療が終わった後は、失われた歯の部分を補うために新しい詰め物や被せ物を装着します。小さな虫歯の場合は詰め物で修復しますが、広範囲にわたる場合や強度が求められる場合は被せ物を選択します。
もともと銀歯を入れていた人でも、再治療をきっかけにセラミックなどの素材を検討するのもよいでしょう。見た目を重視する方はセラミックを選ぶことが多いです。
抜歯が必要なこともある
歯を保存できないときは抜歯を行います。抜歯後は、そのままにしていると噛み合わせや周囲の歯に悪影響が及ぶため、インプラントやブリッジ、入れ歯などで失った歯を補います。
インプラントは人工の歯根を顎の骨に埋め込む治療法で、天然歯に近い噛み心地を得られるのが特徴です。ブリッジは両隣の歯を土台にして人工の歯を固定する方法です。入れ歯には保険適用のもの以外にも自費治療の種類が豊富で、さまざまな選択肢があります。
まとめ

銀歯は耐久性が高く、長く使えるのが特徴です。保険適用のため治療費を抑えられるというメリットもあります。
しかし、銀歯はセラミックなどに比べて汚れや細菌が付着しやすいです。また、銀歯を装着してから時間が経過すると、天然歯との密着が弱くなって隙間ができます。この隙間から細菌が侵入して虫歯を引き起こします。
毎日のセルフケアに加え、定期的な歯科検診が重要になります。銀歯に小さな異変を感じたら歯科医師に相談し、虫歯が進行していないかチェックしてもらいましょう。
銀歯の下の虫歯にお悩みの方は、愛知県豊橋市にある三宅歯科医院にお気軽にご相談ください。
当院では、予防歯科とマウスピース矯正に力を入れています。虫歯・歯周病治療やホワイトニング、入れ歯治療、インプラント治療なども行っています。当院のホームページはこちら、WEB予約も受け付けておりますのでご覧ください。