こんにちは。愛知県豊橋市にある三宅歯科医院です。

透明なマウスピースの装置を装着するインビザライン矯正では、歯をスムーズに動かすためにアタッチメントと言われる突起を歯に付けることがあります。

今回は、アタッチメントの役割や装着期間、装着する際の注意点について詳しく解説していきます。

インビザラインのアタッチメントとは？

インビザライン矯正で使うアタッチメントは、歯とほぼ同じ色の樹脂でできた突起物で、直接歯に接着させます。装着するとマウスピースが歯にしっかりと固定されるので、歯を動かすための力がかかりやすくなります。

治療計画の際に歯をどのように動かしていくか決めて、計画に沿ってアタッチメントの必要性を検討します。必要な場合は、どのような形状のアタッチメントをどこに設置するのかを決めていきます。

アタッチメントは歯の表面に接着させるため、固定式になります。歯を同じ色なので目立ちません。表面に少し凸凹ができますが、上からマウスピースで覆うのでそれほど気にならないでしょう。

インビザラインのアタッチメントの役割とは？

アタッチメントの役割は大きく分けて２つあります。

• 歯の移動を助ける
• マウスピースの密着性を高める

これらの役割を果たすことで、インビザライン矯正がスムーズに進むようになります。インビザラインのマウスピースだけでは治療が困難な症例でも、アタッチメントを装着することで可能になることがあるのです。

それぞれの役割について具体的に解説していきましょう。

歯の移動を助ける

アタッチメントを付けることで、歯に伝わる矯正力が強くなります。アタッチメントの形態や位置によって矯正力を加える方向も調節することができるので、歯を出す・歯を下げる・歯を回転させる・歯を傾けるなど、さまざまな動きが可能になります。

マウスピースだけでは難しい歯の動きも、アタッチメントを付けることによって可能になるのです。

マウスピースの密着性を高める

アタッチメントを付けると、マウスピースと歯の密着性が高くなります。マウスピースが外れたり浮いたりすることを防げるので、矯正力が伝わりやすくなります。

インビザラインのアタッチメントの種類

アタッチメントには、いくつか種類があります。お口の中の状態や理想とする歯並びに合わせて、最適なものを選択する必要があります。

通常アタッチメント

通常アタッチメントは、インビザライン矯正をしていく中で歯科医師が必要に応じて取り付けるアタッチメントです。アタッチメントの数や形状も、歯科医師が適宜判断して取り付けていきます。

最適アタッチメント

最適アタッチメントは、インビザラインを提供するアライン・テクノロジー社によって作製されるアタッチメントです。

インビザライン矯正では、専用のクリンチェックというソフトを使ってシミュレーションを重ねて治療計画を立てていきます。その際にアタッチメントの必要性があると判断されると、配置も決められます。

使用するアタッチメントの大きさは3mm〜5mm程度です。形や設置する場所・個数を調整することで、矯正力を変えます。最適アタッチメントは、形状によって主に次の5つに分けられます。

ルートコントロール用最適アタッチメント

歯を根本から動かす時に使用するものです。歯の隙間を埋める場合や、傾きを修正する場合に用いられます。前歯で使用することが多いです。

ディープバイト用最適アタッチメント

ディープバイトとは、過蓋咬合（かがいこうごう）と言われる不正咬合です。噛み合わせが深い歯並びのことで、奥歯を噛み合わせた時に上の前歯が下の前歯を覆う状態です。

上下の小臼歯にアタッチメントを装着し、上の歯は歯ぐきの中に入れるように、下の歯は歯ぐきの中からひっぱり出すように力をかけ、ディープバイトを改善させます。

オープンバイト用最適アタッチメント

オープンバイトとは、開咬（かいこう）と言われる不正咬合です。奥歯を噛み締めた時に、上下の前歯に隙間ができる状態です。

上下の前歯にアタッチメントを装着して、前歯を歯ぐきの中から引き出すように力を加えます。

回転用最適アタッチメント

ねじれた歯を改善する際に使用するアタッチメントです。特に、犬歯や小臼歯のねじれを改善するときに効果を発揮します。

回転させたい方向に傾斜させたアタッチメントを装着して矯正力をかけます。

アンカレッジ用最適アタッチメント

主に、矯正のために抜歯をした際に用いられます。抜歯により生じた隙間を塞ぐように歯を動かしたい場合に有効です。

インビザラインのアタッチメントの装着期間

アタッチメントの装着期間は、基本的にインビザライン矯正を行っている期間と同じです。1年〜2年程度になることが多く、歯を動かす期間が終了したら取り外します。

矯正期間が終わると、歯の位置を固定するための保定期間に入ります。リテーナーという装置を装着する必要がありますが、その際にはアタッチメントは必要ありません。

インビザラインのアタッチメントの装着方法

アタッチメントは、矯正治療を始める時に装着します。最初に歯面の清掃を行って歯の汚れを除去した後、薬剤で装着部位の歯面の表面処理を行い、アタッチメント専用の接着剤を塗り込みます。

同時に、装着補助用具のアタッチメントテンプレートにコンポジットレジンという樹脂を流し込み、マウスピースのように歯に装着してレジンを固めるために光を照射します。固まったらアタッチメントテンプレートを外して、アタッチメントの装着は完了です。

アタッチメントの個数や部位によっては、複数回に分けてこの処置が行われます。30分もかからない簡単な処置になります。

インビザラインのアタッチメント装着中の注意点

アタッチメントがついていると、歯の表面に突起がある状態になります。汚れが溜まりやすかったり、マウスピースの着脱の際に引っかかりやすいなどの問題が生じることがあります。

アタッチメント装着中は次の点に注意しましょう。

アタッチメント周囲を丁寧に清掃する

アタッチメントの周囲は汚れが溜まりやすいです。特に丁寧に清掃しましょう。ワンタフトブラシという一束の筆のようになった歯ブラシを使うと、効果的に汚れを落とすことができます。

丁寧にマウスピースを着脱する

マウスピースを着脱する時に、アタッチメントが引っかかりやすいです。無理に力を加えて外そうとするとアタッチメントが外れることがあるので、丁寧にマウスピースを着脱するように心がけましょう。

着脱が難しい場合には、歯科医院に相談し着脱方法の指導を受けてください。

着色しやすい食べ物を避ける

アタッチメントはコンポジットレジンという素材でできており、着色しやすい素材です。色が濃い飲食物を摂取すると、アタッチメントが着色してしまう可能性が高いので注意しましょう。

着色しやすい飲食物の例は、以下のとおりです。

• コーヒーや紅茶、緑茶
• カレー
• トマトソース
• ワイン
• ブリーベリー

矯正治療期間は1年〜2年と長いので、その期間ずっと着色しやすい食べ物を避けるのも難しいでしょう。好きな飲食物であれば、食べられないことにストレスを感じるかもしれません。

着色しやすい飲食物を摂取した後は歯磨きをするなど、汚れがお口の中に残らないようにすると着色しにくくなります。外出先などで歯磨きが難しい場合は、うがいだけでも行ってください。

インビザラインのアタッチメントが取れたときは

アタッチメントが取れた時は、すぐに付け直す必要があります。アタッチメントが無い状態では適切な矯正力がかからず、計画どおりに治療が進まなくなるでしょう。

早めに歯科医院に連絡して、受診してください。

まとめ

インビザラインのアタッチメントは、歯に適切な矯正力をかけ、矯正治療をスムーズに進める役割があります。アタッチメントを付けることにより、マウスピース単体では難しかった症例でも治療が可能になることがあります。

アタッチメントを付ける場合には、アタッチメント周囲を丁寧に清掃する、マウスピースの着脱を丁寧にするなど、注意点を守りましょう。アタッチメントが外れるなど、トラブルがあった場合は早めに歯科医院を受診することが大切です。

インビザライン矯正を検討されている方は、愛知県豊橋市にある三宅歯科医院にお気軽にご相談ください。